ひとりごとのページ

ある一匹の猫とさえない男のSTORY

ジジとカルカン

ジジはね、ひろってきた猫なんです。

3月のまだ寒い夕方、ちょっとした空き地にクルマ停めて昼寝してたら、どっかでウニャウニャ鳴いてるんですよ。それで目が覚めてね、『あ、もう夕方や、かえろう』って思ったけど彼はクルマの下から出てこず、腹ばいになってどうにか 引きずりだして空き地のすみにつれていく、でも僕がクルマに乗り込む頃にはまたもや下にもぐりこんで...

  こわくてスタートできないじゃない、もし轢いたらとか考えると、もう...

ど〜しようか?  で、考えた結果、

1.クルマに乗せてしまう  

2.郊外型デパートの屋上パーキングにいく

3.エレベーターで1階まで連れて行き、放してあげて自分だけ再びエレベーターへ戻る

4.やっとこさ家に帰れる

という作戦になったのです。 さぁ、そうと決まれば実行だ! ほ〜れほれ、出てこい、ほれ〜っよっしゃぁ〜つかんだ!「ニャァァァ〜ッ、フ ゥーーッ!」ええいっくそっ、乗るんじゃ!ほら!「フゥゥゥーッ!」 よぉ〜し、ジャスコへ行くぞ ブロロロ〜〜ン... 着いた着いた、ほらっ、いくぞ!「ヴニャ〜〜ッ」

し か し... ガードマンの顔は笑ってなかった。 「お客様、ペットの持ち込みはご遠慮願いますっ」 『ペットじゃねぇんだよ』と心の叫び。 てな訳で、こうなりゃあのデカいパチンコ屋じゃ。ブロロ〜〜ン... よし、ガードマンいないぞ、いざエレベーターだ!乗れ! チーン!(1階到着) 『じゃあ、元気でな』「ニャァァ〜」 どうにか屋上に戻って、はぁ〜〜ぁ疲れた、さて帰るか ブロロロ〜〜ン...

パーキングをおりて道路に出る瞬間だった。 「ニャア〜〜〜ッ、ニャァ〜〜ァン!」 目の前に飛び出してきたのは彼だった。 僕があきれてクルマから降りようとしたとき、彼のほうから乗り込んできた、そしてさっきまで座っていた助手席の足元にチョコンと座った。

その日は給料日前で7〜800円くらいしか持ってなかったっけ、牛丼の『特盛 り弁当』を買って帰って食べる予定だったけど『並み弁当』になった。 となりではジジがうまそうにカルカンを食っていた。 こうやって思い出して書いてると、なんかあの頃(独り暮らしの頃)ってけっこう懐かしくって、あれはあれで貴重なものだなって思う。

 ...なぁジジ、あしたカルカン買ってきてやるよ...

お風呂でござる

彼はよくお風呂に遊びに来ますが、実のところあまりお風呂に入るのは好きじゃないみたいです。その日は『自分がお風呂に入れられるんじゃないか』って気付いているみたいで、いくら呼んでもやって来ませんでした。でも、すぐそばのタオルのうえがお気に入りの場所なので、そこに上ってコロンとよこになったところをすかさず掴えて、さあお風呂でござる。

猫の毛って、かなり水をはじくじゃないですか。少々のシャワーじゃ全然濡れない、しかもシャワーをかけられる刺激が嫌いらしく(まぁ雨も嫌いだもんね、猫様は)あっちこっちに逃げるんですよ。今日はあまり時間がなかったので、ギャーギャー言ってるとこを抱きかかえて即、一緒に湯船につかりました。引っ掻くくらい抵抗するかなって思ってたけど、割とおとなしくしてました。ひととおり毛が水に慣れてきたらシャンプーですが、彼はシッポを触られるのがダメなんです。

理由があるんです、これには...

ジジのシッポは短い(半分くらい) きっと僕と出会うまえ、ジジが幼いころだろうけど、事故にあってるみたい。先端は少し曲がって、途中の毛が薄いところがあって、そこの肌だけあざが残っています。少しでも触ったら「ウニャニャァ〜、フゥゥ〜ッ!」って怒ります。

 今でもつらいんだなぁ、ジジさん...

だから抱いてあげて背中から撫でてあげるようにシャンプーしなきゃ、ね。

あとは大体OK!ちょっと足を洗うのが苦手なのは愛敬、わざと肉球をヌルヌルにすると彼は全然歩けなくなって後ろ足をバタバタ。爪を立てても下はタイルなので引っかからず、結局『腕立てふせ』みたいな格好でふんばって、悲しそうな目で「ニャォ〜ゥ」って訴えてきます。

 はいはい、流しますよ〜...

お風呂から出ても潜り込めるコタツがないもんで、行き場にこまるジジさん。やっぱり僕の布団の上ですか、でもしばらくだけタオルの上にいようね、

下からドライヤーあてて暖かいでしょ。

そんなこんなで、今回も無事オシマイ。

 さあねるよ、布団においで。


ジジさんの長い一日

最近ジジさんを庭で遊ばすことが多くなりました。

カーテンレールの止め具にヒモを引っかけて、屋内でも庭でも行き来できるよう にしてると、もう自分でアルミサッシ開けちゃいます。 でも、こうしてると、トイレとかを屋内に置かずにすむので、砂換え以外のときも臭いを気にしないでイイ感じです。娘がカリカリとか食べちゃう事も無くなったしね。

だいたい昼間は庭で、夜は私の部屋で過ごしています。 そのせいか、朝は『トイレ行きたいニャ〜、外に出してくれーい!』てな具合で うるさいのなんの、おかげで目覚まし時計が要らないっす。 でもこのまえ、つないでいたヒモが長すぎて、庭のけやきの木に巻きついてしまい、あわやじジジさん首吊り状態でした。これではいけないと、少しヒモを短く調節したんだけど、やっぱりジジさんもうすこし広く遊びたいよってグイグイと ヒモを引っ張ります。

それでもせっかくの一軒家、おもいっきりお日様の下で昼寝でもさせようとジジさんを庭で遊ばせて留守番させて、ちょっと買い物に出かけたんですよ。 で、戻ってきたら... 案の定、ジジさんがいない。自分でヒモを強〜く引っ張って首を抜き、外に出か けちゃったらしい。 困った、なんてもんじゃない、 だいたいジジさんてばずぅ〜っと家の中にいたもんだから、そりゃぁ外は興味あるだろうな、そんでもって可愛いメス猫なんて見かけた時にゃぁ...

...まず帰ってこないよなぁ...

でも、でも、2年ほど前に一度だけ外に抜け出したときがあって、そりゃもう半泣きになって探したけど見つからず、でも結局次の次の日にマンションのロビーで子供達に囲まれて、ひもじそうに泣いていた事があったし、いきつけの獣医の先生も「飼い猫の外での行動範囲は200メートルがいいとこ」って言ってたし...

...戻ってくるかなぁ...

もう夕方になって、辺りは少しづつ暗くなっていました。

そろそろジジも腹がへってくるだろうか ら、缶ヅメあけて待ってれば戻ってくるかもしれないので、そうすることにして みた。 でもやっぱり待ってられずに近所をウロウロしました。

引っ越してきたばかりでまだ近所の人とは全然面識がなかったので、私がおんな じ場所を行ったり来たりしてたのは、アヤシイやつだと見られているのは百も承 知、そのうち恥ずかしさもなくなって「ジジ〜〜ッ!ジジよぉ〜〜!!」って叫んでいた。 それでも戻ってくれない。

どうも気になる場所があるにはあるんだけど、すっかりセイタカアワダチソウに 占拠されていて、おいおいオイラより高いやないか、ひまわり並みだぞこれは、 ってもんで中に入っていけない。 どうしようもなくて、結局家にもどって二階の自分の部屋からその空き地を見な がらボーっと煙草吸ってました。 もうほとんど真っ暗、でも耳を澄ましたらなんだかニャァニャァー聞こえてる様 な気がする。 嫁さんにはまったく聞こえないみたいで、やっぱり気のせいなのかなぁ...

今日はもうダメかもしれん、 と、そのとき、 『ニャァ〜〜ァァッ』

聞こえました、どんなに目をこらしても見えないけど、その空き地から鳴き声が聞こえました。 「ぜったいジジや!ぜったいジジ!ぜったいにおる、おるんじゃ!」 自分に言い聞かすようにつぶやきながら階段をかけ降りて外に出た。 するってぇと、へっぴり腰でスズメと追いかけっこしているジジさんがいました。 草むらの中に戻る前にと、ダッシュでジジをつかまえると、まだ興奮してフーフー言ってる。私の肩にも爪をたててめちゃめちゃ痛いけど、もう放さない、家まで連れて帰りました。

しばらく玄関でウニャウニャ言ってたけど、水飲んで落ち着くと、私の足元ですりすり、なになに?おなかすいた?まいったねこりゃ。 もうすっかり親子に戻ってやんの。 その日はわたしもジジもひどく疲れてたのか、早い眠りにつきました。

で、次の日の朝です。 『ウニャ〜ァ〜、ウニャ〜ァ』 もう、ジジさんてば、オイラ疲れてんだ、今日は休日だからもう少し寝かせてく れ。 どんなに耳元で鳴かれても、無理やり布団のなかで丸まってました、そしたら...

急に鳴き声がやんだ。 「あ、やべぇ!」と、飛び起きた時にゃぁすでに遅し、オイラの命の次の次の次のつぎくらいに大切な革ジャンに、みごとオシッコがされてました。

あちゃぁ、やられた。

こういうオチでした。ちゃんちゃん。

TOP PAGE

JIJI とはJIJI.prev.infに帰属します

Copyrightン 1997 JIJI`s Factory.