Field report


旧吉野川 2月11日(火・祝)雨のち曇

その日はチャプター京都第2戦に出場のため琵琶湖に出かけ・・・るはずだった。しかし無謀なチャレンジが何度も許されるほど我が家の経済状況に余裕は無かった(;;)・・・というのは口実で、実際は別の理由でチャプター出場を取り止めたのである。その理由(と言うか推測)が正しいものだったのか確かめるために旧吉野川を訪れた。琵琶湖とキューヨシじゃあ規模もフィールド形態も所在地も全く違うことだらけではあるが、シーズナルパターンの確認を行なうのであれば共通するモノもある。私が確かめようとしていたのは一つだけ「春バスの動き」であった。
実は前回の釣行でスポーニングを意識した個体と出会い、その後数日にわたって暖かな日々が続いたので、私のなかでは『フィールドはもう春』という観念が芽生えていた。そうなるとチャプター戦では、琵琶湖専門「春のスペシャリスト」達は一気にデカバスを揃えてくるに違いない。そうなってしまえば、私にゃ勝負すらさせてくれない一戦になるだろうと思ったのである。大枚叩いてわざわざ琵琶湖まで遠征しチャプター出場するのを家族は止めない。しかし、はなから勝てない気持ちを抱いてるのに出場するなんて中途半端は自分自身が許せなかった。そこで旧吉野川を仮想チャプター戦に見立てて孤独な春の勝負を挑むことになったのである。

スロープに到着すると、てっきり琵琶湖でチャプター戦に出場していると思っていた中村大介氏がセッティング中だった。「おはよ...って、どうしてココに居るんですか?琵琶湖は?」と尋ねると、意外な答えが返ってきた。「無理無理、琵琶湖じゃ釣れないから。バスに会いたくて旧吉野川に来たんですよ。」へ?だってもう春でしょ、だったらシャローマンの中村氏に釣れないはずないじゃん・・・と思ったのだが、氏はまだ間違いなく琵琶湖は冬だと言い切った。そしてその言葉を、この日の釣行を終えて私は身にしみて納得することになる。
ボートを浮かべ、まずは今切川で早々に一匹狙いを行なう。水温は8.6度...数日前より2度も高い、これは完璧『春』でしょ?!そう信じて果敢にハードルアーを投げまくる。お次は三つ合堰の周辺、そして将棋屋裏エリア、さらには共栄橋下流シャロー、それから最下流リップラップ・・・と攻めるが、おかしい、マジで釣れない。平均して水温は8度台後半だというのに、これは明らかに『春』とは呼べない。しかし何故なんだ?そうこうしていると天気予報通り、にわか雨が降ってきた。合羽を持ち込んでいなかった私は空港大橋のケタ下でしばし雨やどり。しばらくして小降りになってきた隙にエンジン全開、一気に三つ合堰方面へ戻ることにした。
新高橋で雨やどり中のレンジャー艇から声がかかる「JIJI(仮名)さん、まあコーヒーでも飲んでいこう!」...昨年琵琶湖マスター戦でお世話になり、一緒に『目探』ビデオに出演(?...^_^;)している三木氏からモンカフェの差し入れを頂いた。暖かい紙コップを握り締めるだけで首筋からほっぺにかけてゾクゾクする。ボートを横着けして休憩しながら、レンジャーオーナーでマスターズプロの先輩でもある岡崎氏に河口湖や霞ヶ浦の話などを聞いていた。そこへやって来たのが野池トーナメント時代からずば抜けて上手い富田(兄)氏、彼もまたボートを並べて雨やどりダベリ休憩となった。カップ麺をつくって食べながらその(兄)氏が一言つぶやいた、その何気無い言葉に私は驚愕することになる。「水温が下降してるから厳しいわ...」なんですと?!

2〜3秒たって、ようやく理解した。そうか・・・そうだったのか!

気温と同様、水温だって上がったり下がったりを繰り返しながら徐々に季節は進むのだ。昨日より今日、今日より明日が必ずしも『春』だとは限らない。たまたま釣れたバスに春の気配を感じても、その個体ですら、じゃあその後ずっと元気モリモリな毎日を過ごすのか?と考えれば...そんなはず無いよな。我々だって小春日和のポカポカ陽気な休日に限ってなぜか風邪ひいてしまい家でじっとしている事もある。つまり水温が前日10度近くから当日8度台まで急激に下降している最中のフィールドは、基本的には『冬』をひきずっていると考えるほうが正解に近い訳である。
雨がおさまり休憩を終えて、私は今切川へと移動した。確かに今日の状態はまだ冬パターン、それは充分理解できた。しかし気の早いバスや季節にあまり関係なく精力的なバスも存在する、それだけは間違いない。勝負をかけるなら冬バスより良型元気バスを獲ってゆくべきだ!とことん春パターンで攻め抜くことに決めた。だが、トーナメント時間をすぎ午後4時半まで気合いでキャストを続けてみたが、結局まだまだ実力不足。私の動かすルアーに反応してくれる魚は全く現われずにストップフィッシングとなった。いやはや完璧に・・・負けました。
帰宅途中にラジオから流れてきた曲に、がっくりうなだれた一日でした。

♪〜春なのに...春なのに...ため息またひとつ〜